
Jules Vieillard&Cie Bordeaux社 1845-1895
Jules Vieillard&Cie はフランスの南西部ケ・ド・バカランにあるボルドーの古窯。実業家兼政治家のデビッド・ジョンソンが所有していた陶器工場でした。
ボルドーでの陶器の歴史は1700年初期頃から単発的に始まったと云われています。アイルランドのワイン商人の息子だったデヴィッド・ジョンストン(David Johnston)は、英仏間を航海するワインを積んだ船の定期輸送を利用して、イギリスから燃料と原材料を運び、バカランに多くの職人達を引き連れて1835年に英国式陶器、デヴィッド・ジョンストン工場を設立しました。
1845年にジュール・ヴィエイヤールは工場を引き継ぎ、1868年にジュール亡くなるまでが経営していました。1865年からは父と経営を分担していた息子のアルベールとシャルルが引き継ぎ、1895年に工場は閉鎖されました。
J・ヴィエイヤールの陶器工場の品質はフランス全土より賞賛されました。1852年10月、ルイ・ナポレオン・ボナパルトがボルドーを訪れた際、J・ヴィイヤールは、工場見学を依頼した大統領からリボンとレジオンドヌール勲章を受けました。
美しい物語のような絵柄は陶器というよりは絵画のようで、当時フランスで大変人気を博しました。たった50年間という短い期間に上質で美しい作品を残しました。その製作期間の短さと独特の個性的な作陶のため残存数が少なく、19世紀の貴重な陶器メーカーとされています。
バックプリントの筆記体で描かれた “J.V.B” がその証になります。
