ROYAL BOCH
BOCH(ボッホあるいはボック)は、1748年にドイツ人フランソワ・ボッホが現在のフランス・ロレーヌ地方(当時は自治区だった)に製陶工場を創設。ルクセンブルクのロームから採れる安価な原料を仕入れ、一般公衆のためのシンプルな陶器品を生産しました。 その後ロレーヌがフランス領となったのを機に、1766年にフランスのファイアンス工場競争を逃れるため、当時オーストリア領であった、ルクセンブルグ市郊外のセットフォンテーヌに新しい陶磁器工場設立。オーストリア・ハプスブルグ家の援助を受け「王室御用達」の窯としてロイヤルの称号 (王室の紋章を付すること) を許可されるまでに成長しました。
Villeroy & BOCH Germany(1748年~)
1791年、BOCH より少し遅れてニコラ・ヴィレロイはドイツのザール河沿いの町、ヴァラーファンゲンに陶磁器工場設立します。両社はともにライバル会社でもありました。1748年、BOCH社とヴィレロイ社は合併、現在にも続く有名な「ヴィレロイ&ボッホ」となります。職人気質のボッホと経営に秀でたヴィレロイは最強のチームとなります。 Villeroy & BOCH は本社をドイツに移し工業化を推進、いち早く機械化と量産体制を築き、マイセン、ロイヤルコペンハーゲンに並ぶ世界三大陶磁器メーカーになっていきます。
BOCH Frères Belgium(1841-2009)
その後1841年にベルギー、ブリュッセルの南、エノー州のラ・ルヴィエール(La Louvière)に、フランソワ・ボッホとその息子たちによって製陶工場が設立されました。当初の社名は Keramis(ケラミス)と云います。1844年に BOCH Frères Keramis に社名を変更し、本格的にベルギーでの操業を開始します。1854年、創業者フランソワ・ボッホの死後、ファイアンス工場は息子のジャン・フランソワとドミニクとピエール・ジョセフに引き継がれます。その後19世紀後期より Boch Frères となり BOCH の刻印になります。ただしBKFの刻印1920年頃まで存在しているようです。1851年~1891年までは Tournai の工場でも製造をしています。
1948年に再びブランド名を変更、 Boch Frères SA(Boch brothers plc)となります。その頃より会社はゆっくりと下降傾向に入っていきます。1985年、Boch Frères SA は会社が清算され組織は分割されます。
社名を残す、MRL Boch (マニュファクチュール・ロワイヤル・ラルビエール・ボッホ)は1988年に倒産。 1991年にオランダのマーストリヒトの Royal Sphinx の傘下に移り、その後1998年に Sphinx-Gustavberg に統合されます。 2009年 MRL Boch は破産となります。