オランダ人のbrocanteのお店を経営しているマダムより届いた幾つかの品々。

今日はVilleroy&Boch のスーピエールをご紹介します。

オーバル型の控えめな大きさ、上部の取っ手もカーブを描いていて、全体的に滑らかな印象のスーピエールです。

緑の葉のガーランドと黄色い蝋燭がステンシル技法で描かれており、シャンデリアを思わせる愛らしいデザインになっています。

Villeroy&Boch は、1748年にフランスでBochとして創業、ドイツに拠点を移し、その後1836年にビレロイ家と合併し、ビレロイ&ボッホとなりました。現在はロイヤルボッホやビレロイボッホとして継続していますが、9世代にも渡る長い時代の中には世界大戦にて工場を破壊されたり、占領され母国に販売することすらできなくなったりと戦争に翻弄された歴史があります。

底面のfaience markは、 Villeroy&Boch のマーキュリーマークとして知られ、ローマ神話の商人や旅人の守護神のマーキュリー(メルクリウス)と、作られた工場を示すマークが入っています。このスーピエールはドイツの ノルトライン=ヴェストファーレン州(ケルンの南)に位置するBONNの工場で作られました。

今では食器が主な制作ですが、当初はタイルも多く作られており、19世紀に復元されたケルン大聖堂の床モザイクタイルも手掛けたそうです。

スーピエールは、日本の食卓にはあまり馴染みが無いテーブルウエアですが、花器としてとても使い勝手の良い器です。背の低い大振りの花を斜めにひとつ活けたり、小さな花を束にしてあふれる程たくさん活けても可愛いと思います。

ぜひいろいろお使い頂ければと思います。

・Germany 1920 – 1930年

・サイズ:30cm(持ち手含む)×17cm×高さ15cm(取っ手含む)

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