先日、表記「ターコイズブルーのひびの入った八角形の陶器ボウル St.Clement」の記事をアップしましたが、個々の詳細がわかるように再度写真を追加掲載しました。

フランス王国ブルボン朝ルイ15世(1715-1774)の時代、パリの東、ルネヴィルの町から東に12kmにあるサンクレマンの製陶工場は、1758年にジャック・シャンブレットによって設立されました。18世紀後半はルイ15世スタイルのデザインを取り入れ、ルイ16世の時代にはマリーアントワネットのトリアノンのための陶器を提供し、ロイヤルサプリエの称号を受けます。

1786年には サンクレマン、ルネヴィルの二つの陶器工場はケラー家に所有権が移り、その後100年以上の長きにわたり経営は継続します。1832年、セバスチャン・ケラー(Sébastien Keller) と義弟のゲリン(Guerin) の共同経営が始まります。”K & G Luneville Faience” の名前はこのイニシャルから生まれています。 20世紀初頭には工場の製品は世界的な評価を得ており、芸術や産業の展示会のさまざまな分野で成功を収めました。

1922年、バドンビレーに製陶工場を所有していた、エドゥアール・フェナルによってサンクレメンとルネヴィルの工場は買収され、再び新しい所有者になります。そして当時の先鋭的デザイナーであったエミール・ガレなどのアーティストを取り入れた、アールヌーボーやアールデコの陶器を作りました。

工場は現在はサルグミーヌグループの一部として、130人程の職人と共に作陶を続けています。1968年以来この工場では “KG Luneville” という名前でルネヴィル陶器が引き継がれています。

本品は八角形(オクトゴナル)の形状とターコイズブルーの色合いが特徴的なボウル。細かなひびが入った絶妙な趣のある陶器です。刻印はございません。器はそれぞれ状態が異なります。

・France 1925~1935年

・サイズ:直径18.5cmx高さ5.3cm

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