サルグミンヌ製陶工場の創業者であるニコラス・アンリ・ヤコビとそのパートナーは、1790年フランスの東、ドイツ国境に隣接する町サルグミンヌに最初の工場を設立しました。しかし経営はうまくいかず、19世紀に入り工場はバイエルン出身のドイツ人、ポール・ウッチシュナイダー(Paul Utzschneider)に引き継がれることになります。彼はフランスの小さな町だったサルグミンヌを各地の国際博覧会で世界に紹介します。そして彼の最高の顧客は帝政時代のナポレオンやブルボン朝にまでいたるようになります。その後工場の経営は順調に進み19世紀半ばには、Villeroy&Bochと資本協力を結び蒸気運転プラントが建設されました。

ところが、1870年の普仏戦争によってフランスはプロイセン(現ドイツ)に敗北、フランクフルト条約によりフランスのモーゼル地方一帯はドイツに分割されてしまいます。その後1876年にサルグミンヌは、ドイツのUtzschneider&Cie(U&C Sarreguemines )と Digion et Sarreguemines の2つの会社に分割されることになります。フランス籍であることを守るためフランス領のディゴワンとヴィトリー・ル・フランソワの工場は、会社名を Digion et Sarreguemines に変更、1881年から総称を Faienceries de Sarreguemines、Digion et Vitry-le-Francois と呼ぶようになります。

第一次世界大戦のドイツ敗戦によって、サルグミンヌ製陶工場はフランスに戻り、サルグミンヌ・ディゴワン・ヴィトリールフランソワの名前で統一され、カザール家によって経営が継続されることになります。その後1979年にルネヴィル・バドンビレー・サンクレマングループに買収され、この年より食器の製造を中止し、タイルの製造に専念することになります。 2007年1月、サルグミンヌは裁判所に破産を宣告し、時代に翻弄されながら200年以上続いた長い歴史に終止符を打ちました。

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