ダゲレオタイプ写真専用のケース(Gutta Percha Union Case)に飾られた、白人の赤ちゃんを抱く黒人女性
こちらは1856年にアメリカのリトルフィールドパーソンズ社(Littlefield, Parsons and Company)によって作られた物。キューバをモチーフにしたレリーフを施したガッタパーチャ・ユニオンケース(折り畳み式ケース) ガッタ・パーチャ(Gutta Percha)はマレー語でゴムの木のこと。天然ゴムを型に流し込み、硬化されたケースになります。表面には女王の座像とHABANAのモニュメント、裏側には「Molinatipos Con Real Privilegio」の紋章(スペイン・ブルボン家の紋章と思われる)があります。内側は右に写真入れ、左はベルベットのクッションが施されています。
ダゲレオタイプ(仏: daguerréotype)とは、1837年、フランス人画家・写真家のルイ・ジャック・マンデ・ダゲールにより発明された、世界最初の実用的写真撮影法です。湿板写真技法が確立するまでの間、最も普及した写真技法で、銀メッキを施した銅板を感光させて写し出していました。日本では銀板写真として呼ばれていました。
表面に細かなヘアクラックがありますが、160年前に長い時間をかけて撮られた、非常に美しい画像が写しだされています。ぜひお店で実物をご覧になってください。
・America 1850’s
・サイズ:縦9.5cmx8.5cmx厚み約2cm