オクトゴナル(八角形)の形にそれぞれ白鳥とオコジョの紋章のプレート。
フランスロワール渓谷に建つブロワ城に由来するもので、ブロア城は歴代のフランス王の住居やジャンヌダルクにも所以のある城です。フランソワ1世が作らせたとされる優美な螺旋階段が有名なお城でもあります。
La Faiences de Bloisは、Ulysse Besnard(ユリシーズベスナード1826-1899)が1862年そのブロワに陶器工場が作られたところから歴史が始まります。エナメルに塗られた錫を含む陶器に絵付けし、半透明の鉛のニスで艶をかけて作られていました。ユリシーズ・ベスナードは陶芸家であり、元はブロワ美術館の学芸員であり、そこのデザイン学校でも教えていました。
そのブロワ陶器にはブロワ城の紋章を用いたものが多く取り入れられています。
ブロワ城には大きく4つの紋章があり、ルイ12世の王冠とヤマアラシ 、ルイ12世の王妃アンヌ・ド・、ブルターニュの王冠とエルミーヌ (オコジョ)、フランソワ1世の王冠とサラマンダー(トカゲ)、そしてフランソワ1世の王妃クロード・ドゥ・フランスの王冠と白鳥の4つとなっており、城の至る所で見ることができます。
王妃アンヌ・ド・ブルターニュの紋章オコジョ。
エルミーヌ(オコジョ・白テン)は、太古の昔から清廉潔白の象徴であり、また白いオコジョの毛皮をガウンに仕立てたものを着ることが権力の象徴でもあったようです。トランプのキングやクイーンの絵にも袖周りに白地に黒の毛皮が付いた衣装を着ているものがありますよね。
オコジョは冬になると尾の先だけ黒い点が現れ、これをアーミンと呼ぶのですがこのアーミンをオコジョの紋章と共に装飾に用いることが多々あります。今回のプレートにも王冠と白いオコジョ、そしてフルール・ド・リス、アーミンといった装飾が描かれています。
もう一枚の白鳥のプレートは、王妃クロード・ドゥ・フランスの紋章の白鳥の絵皿。
フランソワ1世の妻であるクロードドフランス(1499-1524)は15歳という若さでフランス王位継承権者アングレーム伯フランソワに嫁ぎ、その後7人もの子供を授かりました。
クロードの紋章の白鳥は率直さと誠実さと愛の象徴でもあります。なぜ白鳥に矢が刺さっているかは、夫の不貞による悲しみや非難、ブルトン王国の自由の象徴など諸説があります。
どちらも王冠とユリの紋章フルール・ド・リスが装飾されています。
・France 1900年前後
・サイズ:直径22cm×高さ2cm
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