今年は新型コロナウィルスの影響で日常も変わりつつありますね。

毎年行っていたフランス・オランダの買付けも渡航制限でなかなか行かれる状況にはまだなっていません。そんな中、ポンポーンとオランダ人とフランス人のディーラーの友人達からメールが届いたりします。

「元気ですか?こちらは家族みんな元気です。商売はうまくいっていますか?こちらは蚤の市が始まりましたよ。まだ来られませんか?」

「こんにちは、長いロックダウンも終わり少しずつみんな外に出始めましたよ。でもまだ遠くには行かれません。日本はどうですか?ふたりとも元気ですか?お店はどうですか?秋には来れますか?」

国は違えど、小さなウィルスがもたらした一体感を感じます。アンティークやブロカントを商売にしているディーラーさん達は多くが私たちより年上なので、みなさん心配してくれているのかな。ありがたいです。

と、海の向こうに思いを馳せる毎日なので、今日は買付け渡航の中で特に想い出深かった夏の幸せアパートメントのことを書きたいと思います。


これまで泊まったアパートの中で最も好きなオランダロッテルダムの古いアパート。ロッテルダムからトラムで10分、大きな駅から乗り換えがあるので便利とはあまり言えない場所。そしてオランダ特有の昔からの作りの古いアパート。ドアを開けると頂上間近の登山道のような急こう配の階段で4階まで登山が待っています。トイレのドアは全開のまま閉まらず、シャワールームの水漏れ防止はタオル。部屋のドアは反っているので、鍵を開ける時にコツがいります。というように便利さや快適さは微塵もありません。

急こう配の登山を終えたあと部屋のベランダから見える中庭は、素敵な景色かと思いきや、オランダの人々の普通の生活。決して便利さは無いけれど、自分が感じる幸せを満喫しているオランダの人の生活が見られます。

仕事から帰ってきて庭でワインを飲みながら読書する人。狭いベランダでもおしゃべりしながら暗くなるまで食事をする若い家族。少しずつ手直ししているのであろう未完成の庭。ベランダに作った藤棚には鳩の巣箱。毎日夕方になると鳩が帰宅していました。窓もカーテンも全開で風に吹かれながらのパソコン作業。

それぞれにストレスはあるのだろうけれど、こんなにも日本の生活とかけ離れた生活があるのかとショックを受けました。幸せってなんだっけ?と聞かれたら、このアパートメントをご紹介したい。

キーワードは解放感?なのでしょうか。

日本は規則やマニュアルに基づいてそれこそ日本人らしさなのでしょうけれど、この解放感あふれる生活にもう少し寄ってみてもいいのではと思ったのでした。

さすがハピネスカントリーオランダ。部屋をきれいに室礼して「どうぞ見てください、素敵でしょう!」っていうのがオランダ流。




命綱を頼りに毎日登山。



しかも急カーブ。



足を踏み外せばごろごろ玄関まで落ちます。20キロの荷物を二人掛かりで何度も下します。





各家の飼い猫が各家の庭を自由に歩きまわる。猫好き住人の集まるアパート。





お隣は屋上でディナー。



エントランス横の住人の窓からいつも出入りする人をチェック!YKK-APのコマーシャルみたい・・・