今日で今年のお店の営業は最終日です。今日はお店のすす払いなどしながら、しずかにゆるりと終えたいと思います。今年も一年大変お世話になりました。あっという間の一年でした。また来年もなにとぞよろしくお願いいたします。みなさま良いお年をお迎えください。
Rouen / Jules Vieillard&Cie Bordeaux 深皿
こちらのお皿は “Rouen”(ルーアン)という名のついたシリーズです。ルーアンはフランス、ノルマンディ地方の街。ジャンヌ・ダルクゆかりの地として有名で、中世の古都であり、ルーアン大聖堂はゴシック建築の代表作として知られています。
本品のデザインの意図するところはわかりませんが、濃い青(藍色)に植物をモチーフにしたような非常に威厳のある装飾がとてもいい感じです。プレートの裏面には 筆記体で “JVB” と記されています。これは19世紀の Jules Vieillard&Cie Bordeaux の頭文字の刻印になります。
年代のわりに状態は良好ですが、縁回りの釉薬が剥がれて素地が露出している部分がございます。
Jules Vieillard&Cie はフランスの南西部ケ・ド・バカランにあるボルドーの古窯。実業家兼政治家のデビッド・ジョンソンが所有していた陶器工場でした。1845年にジュール・ヴィエイヤールは工場を引き継ぎ、1868年にジュール亡くなるまでが経営していました。1865年からは父と経営を分担していた息子のアルベールとシャルルが引き継ぎ、1895年に工場は閉鎖されました。
美しい物語のような絵柄は陶器というよりは絵画のようで、当時フランスで大変人気を博しました。たった50年間という短い期間に上質で美しい作品を残しました。その製作期間の短さと独特の個性的な作陶のため残存数が少なく、19世紀の貴重な陶器メーカーとされています。
J・ヴィイヤールは1852年10月、ルイ・ナポレオン・ボナパルトがボルドーを訪れた際、工場見学を依頼した大統領からリボンとレジオンドヌール勲章を受けました。
・France 1870-1880’s
・サイズ:直径22.5cmx高さ2.6cm
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