19世紀半ばごろのクレイユ&モントローのオーバル皿です。
モントロー窯は1748年創業のパリの南にある古窯。 当時から繊細な絵付け技術に定評があり、当時のパリのブルジョアたちにも人気を博した窯でした。 一方クレイユ窯はパリの北に1797年に設立された古窯で、英国のウェッジウッドのボーンチャイナを範としていました。
本品は、Lebeuf Millet&Cie(1840-1875)の時代の作陶品です。
L.M.&Cie は、銀行家だった Louis Martin Lebeuf ルイ・マルティン・ルブフ (1792-1854)と、Jean Baptiste Gratien Milliet ジャン・バティスト・グラティアン・ミリエット(1797-1875)のこと。二人は1841年にクレイユ製陶工場の共同経営者となりました。
合併後、Faïenceries de Creil et Montereau として、1876年まで Lebeuf, Milliet & Cie(L.M.&Cie)の刻印が使用されていました。しかし1895年のクレイユ工場の火災により操業は停止され、その後、1920年までモントロー工場のみで製造を続けていました。
サイズは長尺が39cmほどある大皿で、クレイユ窯独特の薄青の白色をしています。年代の割には状態は良好ですが、縁部分2ヶ所2cmほど釉薬の剥がれがあります。釉薬の取れたところから少しの貫入(染み)が見られます。
内側のカトラリースクラッチも少ないです。長尺の一辺に恐らく製造時にできたと思われる撓みがあります。
本来無いものでしょうが、この撓みが150年以上もむかしの時代を思わせる、ひとつの道標のように思われます。古いカトラリースクラッチの痕と同じですね。
・France 1840-1876’s
・サイズ:縦38.8cmx横26.8cmx高さ3.5-4.0cm
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