ミシェル・コーガンのテリーヌに kintugi を施してみました。実は先日買い付けたコーガンのテリーヌの内、数点が破損していて漸く修復に掛かりだした次第です。
今回のは小さな鴨のテリーヌで下部の皿部分に2片の欠けがありました。比較的きれいに割れていて破片もちゃんと残っていたので簡単に修理出来ました。
それ以外の状態は良好です。グリーン色と茶色をベースにカラーリングされた鴨のテリーヌです。吉場氏がピンク色で目の上と首、胸と羽の後部が白く抜けていています。
ミシェル・コーガンは、ブルターニュ地方のロスポルデンという町のフランス人パテ職人の息子でした。1927年に父親のローラン・コーガンは地元で “Caugant” というデリカテッセンを開業しました。ジビエで作られたパテは街の評判となります。ミシェルは1933年にそこで生まれました。
ミシェルは10代の頃よりお父さんの手伝いをするようになり、1950年頃よりパテを入れる容器として、テリーヌポットを制作するようになりました。リアルに表現されたジビエの動物たちをモチーフとした様々な動物たちは、精巧な中にも可愛らしい表情をしており、Michel Caugant のコレクションは、テリーヌポットコレクターの間で大変人気となりました。
フランスではテリーヌコレクターの間で、その年に誰が最も洗練されたアイテムを持っているかを決める大会まであるそうです。おもしろいですね。ポットの裏面には、Michel Caugant のサインと「ひとつひとつ手作業で作られています」といった文言が入っています。ブルターニュを愛し、町のみんなから愛されたミシェルは、2021年88歳でこの世を去りました。
今回は、アヒルやカモなどの鳥をはじめ、入手困難なウサギや鹿などもあります。すべて上下に分かれていて中にパテを詰められるようになっています。サイズも大小さまざまです。何点か引き取られ新しいおうちに旅立って行きましたが、まだたくさん在庫がございます。個別の詳細はオンラインショップにてご確認ください。またお店に展示していますのでぜひ手に取ってご覧ください。
・France 1950-60’s
・サイズ:全長16.5cmx高さ10cm
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