Papier mâché は直訳するとフランス語で噛んだ紙という意味。紙片またはパルプからなる複合材料で、繊維や木粉で補強されていたり、糊やでんぷんなどで作られた接着剤などで結合されています。のちに高級装飾工芸品のひとつとして、戦士のヘルメット、ミラー ケース、嗅ぎタバコ入れ、ボウル、トレイ、エタジェール、ケースなど様々なアイテムへ発展していきました。

スナッフ(Snuff)とは嗅ぎタバコのことで、タバコの葉を細かく砕き、鼻から吸い込むことで摂取する無煙たばこの一種。嗅ぎタバコの起源は15世紀ブラジルの先住民が最初だと言われています。

1493年のコロンブスの新大陸航海の際に、フランシスコ会のラモン・パネ修道士が嗅ぎタバコを持ってスペインに帰国したことによって、ヨーロッパに嗅ぎタバコがもたらされたと言われています。1560年代に入ると、フランス、オランダ貴族たちにも使用されるようになります。

スナッフ(snuif)とはオランダ語で「嗅ぐ」いう意味で、当初オランダ人が「嗅ぎタバコ」に付けた名前が全国に広まったのだそうです。その後1650年には、嗅ぎタバコはフランス、オランダからイングランド、スコットランド、アイルランドなどヨーロッパ全土、そして日本、中国、アフリカなどに広がっていったそうです。

嗅ぎタバコ入れには、携帯用のポケットボックスと室内で楽しむテーブル用の共同ボックスの2つがあります。本品は携帯用のポケットボックスで胸ポケットにすっぽり収まる程のサイズです。空気に長時間さらされるとタバコが乾燥して品質が低下するため、しっかり密閉できる蓋が付いています。

しっかり硬質化したパピエマシェのケースで、黒地にシルバーグリーン色のクラシックな装飾が施されています。内部には当時の細かな茶色のタバコの粉がまだ付着しています。掃除すればきれいに掻き取れますが今はわざと残してあります。匂いは殆ど感じられません。

今は嗅ぎタバコを愛嗅される方は少ないと思いますが、小さなアクセサリーや小物入れにとても可愛いケースです。100年以上前に使われていたものです。

・England 19世紀後半から1900’s初期

・サイズ:横5.5cmx縦3.4cmx高さ1.4cm

詳細写真はONLINESHOPにてご確認ください。

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