ロンウィー(Longwy)はベルギーとルクセングルク国境に隣接するフランスの東端、ロレーヌ地方の北にあるモゼル県のコミューン。1880年創業のロンウィ製鉄会社は、ロレーヌ盆地にできたフランス有数の企業でした。1980年代までロンウィはフランスの重要な製鉄の街でもありました。

ロンウィー陶器の歴史はもっと古く1798年にチャールズ・レニエによって、ムルト・エ・モーゼル地方のカルメル会修道院に工場を設立したのが始まりです。

1815年ナポレオン戦争の影響で経済的困難に陥り工場での生産が停止、1816年、チャールズ・レニエは会社を売却。その後、陶器工場はマリー・キャサリン・ボックに引き継がれ、新しいペーストと上質な白いエナメルを使った新しい陶器の生産を行いました。陶器工場は娘、孫へと代を変え、1866年に会社は孫の2人の息子フェルナンドとヒッポリテに引き継がれていきます。

19世紀後半からジアンやクレイル&モントローで様々な作品を制作していた、フランス人アーティスト、アメデ・ド・カランザを呼び、有名な「ロンウィーエナメル(Émaux de Longwy)」が誕生しました。

1925年にはパリ万博にも出展し、ロンウィーファイアンスは最盛期を迎えます。しかし直後の1929年アメリカの株大暴落(ブラックマンデー)の煽りを受け、工場の経営は大きく傾き始めます。20世紀半ばには一旦盛り返しますが、陶器工場は1976年に破産申請、200年続いた歴史に幕を下ろしました。