当店でもオランダの陶磁器を多くご紹介していますが、その多くはマーストヒリトで生産されたものです。ですが、まだまだフランスやイギリスに比べると馴染みの薄い街なのではないでしょうか。

ですので本日はオランダマーストリヒトの街をご紹介したいと思います。コロナ禍でもありなかなか外国には行かれないご時世でもありますので、なんちゃって海外旅行を楽しんで頂ければと思います。

マーストリヒトは、オランダ最南端のベルギーとドイツの国境線に位置しているマース川沿いのオランダ最古の都市です。その位置から他国に占領されること20回!という歴史を持っています。マーストリヒトと聞いて思い浮かぶのはEUに関する条約である「マーストリヒト条約」くらいではないでしょうか。

私達もお店を始める前まではマーストリヒトの場所も行き方も歴史も全く知りませんでした。行くきっかけになったのは、マーストリヒト在住のディーラーの自宅へ招かれたからです。オランダ人はみな背が高く、友人も2m近くあるので小さい日本人は見上げるほどですが、瘦せていてスマートなので威圧感はありません。オランダの皆さんはみな親切で、この仕事を始めて仲良くなるのはオランダ人が多い気がします。お隣のベルギーはオランダに比べて背が低い人が多いので、何故?と友人に聞いたところ、オランダは北欧からの人種で、ベルギーはフランスから来た人種が多いから・・と言っていました。

ではアムステルダムあるいはブリュッセルから列車で2時間半、マーストリヒトの駅に降り立ってみましょう。

とんがり屋根の大きな立派な駅舎。バスターミナルもあり、またオランダらしく自転車置き場がロータリーの大半を占めています。

マーストリヒトの名前の由来は「マース川の渡河地点」との意味もあるのだとか。オランダ語のaが連なる所がかわいらしいです。

駅前には大きな駅前大通りが1本。この道をまっすぐ歩いてマース川を渡ると旧市街へ辿り着きます。時間にして30分位でしょうか。

ではマース川を渡ってみましょう。

ご覧の通り、車道も歩道も石畳です。車でもガタガタと音を立てて走るというのに、みなさん自転車でも難なく(相当の振動だと思いますが)疾走します。

マース川はフランス北東部よりベルギー、オランダへ流れ、北海へ出る大きな川です。大きな川なので大きな船も通ります。大きな船が通る時には橋を上げて船が通り過ぎるのを待ちます。

遠くに旧市街が見えてきました。

お天気が良いと気持ちよいのですが、雨の中ここを通ったことがありました。川が大きいので橋も長く、吹きさらしの中、寒くて悲しくなりました。(これも良い思い出)

やっと向こう側へ着きました。

旧市街は、週末ともなれば近隣から多くの観光客がやってきます。歴史的建造物も見どころですが、洋服などのブランド店も多く、ショッピングもできる日本の軽井沢のような感じです。お天気の良い週末のカフェはどこも満席です。

マーストリヒトの中で有名なものが、こちら。世界一美しい本屋に選ばれた教会の中にある本屋です。教会なので荘厳な感じ。併設するカフェのテーブルは十字架です。

オランダで最も古い街でもあるので、至る所に城壁がそのまま保存されています。この城壁の下を歩くと馬車や荷車が行きかっていた頃にタイムスリップできます。

旧市街のマルクト広場周辺。11~15世紀にかけて建造された古い大聖堂を持つ聖セルファース教会。

このマルクト広場を中心に名所やショップがあるので徒歩でも巡り易い街でもあります。

広場のマルシェ。さすがオランダ、チューリップが色とりどり。そして買う方もこの一つの束ごと買っていきます。

オランダなのでやはりチーズも豊富。味がわからないので、おススメをおススメされるがままに買うことが多いのですが、外れはなくどれも美味しいです。

スイーツもどれも美味しそうなので、いつもあれもこれもと買いすぎます。そして夕飯よりスイーツの方が量が多くなったりします。

よく見かける生ジュース販売機。購入した空のペットボトルを下に置いてスイッチオン!オレンジがゴロゴロ落ちてきてむぎゅぎゅぎゅーっと絞ってジュースになって出てきます。所定の位置にちゃんと置かないと時々こぼれてべたべたします。

魚も種類豊富ですが、上級者向けなので買えません。

街中の横断歩道。

女の子バージョンと男の子バージョンがありました。こちらは女の子バージョン信号機。

マーストリヒトは、昔は代表的な古窯がいくつもあった陶磁器の街でもありました。いつもご紹介しているPetrus RegoutやSociete Ceramique、Mosa Maastrichtなど庶民の暮らしを支え、街の繁栄にも一役買った製陶業は、歴史の中に埋もれ今はこのMOSAしか残っていません。現在は衛生陶器を中心に製造を続けています。

異国の古い古い陶磁器を、時代を経て遠くの異国の人が大切に使っていると知ったら、その当時製陶に関わっていた職人は何と思うのでしょうか。聞いてみたい気がします。

オランダ人の友人宅へ行きました。

家の後ろには大きな庭。そして鶏とヤギ(遠くにヤギがこちらを見ています)を飼っています。ゴールデンリトリバーも居るのですが、小さい日本人を見てテンションが上がり、小さい日本人もテンションがあがり、双方とも残像しか映りませんでした。

オランダと云えばD・E(Douwe Egberts)コーヒー。オランダにスタバが少ないのはDEがあるからとも言われています。

足早にマーストリヒトをご案内しましたが、いかがでしたでしょうか。

旧市街の古い建物は詳細な歴史を知らなくとも圧倒される美しい建造物ばかりです。このコロナが終息し、また外国に自由に行かれる日が来たら、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

最後におまけです。

オランダの床屋さんのポスター。2016年春の新作のヘアースタイルです。