これまで当店は多くのコーヒーグラインダーを販売してきましたが、今回のモデルは初登場です。

19世紀後半(1875年)の珍しいフランス、Japy社のスチール製のコーヒーグラインダーです。Japy社の木製のコーヒーグラインダーは、これまでも何度かお目にかかったことがありますが、こちらのスチール製は初めてです。

JAPY社は1773年にドイツに近いフランス東部の町モンベリアールで創業しました。当初は時計の製造工場でした。しかし創業者フレデリック・ジャピー(1749-1812)は、時計だけでなく製造業全般の工業化のパイオニアでもあり、その中でコーヒーグラインダーの開発も行っていました。

本品は、tabatière というモデルで「たばこ箱」という意味だそうです。本体は鉄製(縦リブ付き)、ウォールナットノブ付きの鉄製ハンドルに真鍮製の金物が付いています。底部が2つの肩ヒンジの蓋になっていてパカッと開くようになっています。蓋を開けると内部の刃の部分のメカニズムが現れます。豆の挽き粗さの調整はこちらで行います。

このコーヒーグラインダーは、第一次世界大戦時フランス軍の兵士が、戦地でも使えるようにと採用されたもののひとつだったようです。戦地でも壊れないようスチール製で頑強なつくりになっていることがわかります。

イタリアの F&B Tre-Spade社にもよく似たコーヒーミルがございます。

ひと通りレストア済ませてあります。

・France 1900年前後

・サイズ:縦10.5cmx横10.5cmx高さ19cm(ハンドル突端まで)

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