Jules Vieillard&Cie Bordeaux社 1845-1895

ボルドー地方のバカラン(Bacalan)の古窯、ジュール・ヴィエイラール・ボルドー社は1800年初期~1895年までの僅か100年ほど実在したフランスの古窯。

ボルドーでの陶器の歴史は1700年初期頃から単発的に始まったと云われています。イギリスの政治家だったデヴィッド・ジョンストン(David Johnston)は、英仏間を航海するワインを積んだ船の定期輸送を利用して、イギリスから燃料と原材料を運び、バカランに多くの職人達を引き連れて英国の陶器工場を設立しました。ジュール・ヴィエイラール・ボルドー社の先駆けです。

その後1845年に後継者として、陶器貿易商だったジュール・ヴィエイラールが会社を引き継ぎ、ジュール・ヴィエイラード・ボルドー社(Jules Vieillard&Cie Bordeaux)と社名を改め、1895年までその歴史は続きました。

美しい物語のような絵柄は陶器というよりは絵画のような作品が多く、当時フランスで大変人気を博しました。期間の短さや独特の個性的な作陶のため、残存数が少なく、19世紀の貴重な陶器作品のひとつとされています。動物や虫のシリーズはその中でもとてもレア一品になります。バックプリントの筆記体で描かれた “J.V.B” がその証になります。

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